知っておいて損はない、「アノマリー」についての解説です。
アノマリーとは、「こんな感じになることが多いよね」というような現象を指します。
これらは経験則に基づいており、資産運用の際に、完全に無視することはできません。
🙂いつもの”のぼる先生”に加えて、今回から”ちはる先生”も参加して教えてもらいます。
アノマリーとファンダメンタルズ
2人は
について聞いたとはありますか?
アノマリー?
なんじゃそりゃ。
それでは、ファンダメンタルズについて覚えていますか?
ちらっと聞いたような。聞かないような・・・。
アノマリーを覚える前に、まずは”ファンダメンタルズ“とは何かを知らないとですね。
それでは、ファンダメンタルズについてまとめておきます。
ファンダメンタルズとは
- 企業の売上高や利益といった業績、資産、負債などの
財務状況などを表す経済状態を示す指標のこと。 - ファンダメンタルズの内容はすぐに市場価格の上下に影響しないものが多いが、企業の運営の状況を知るうえの重要な指標となっている。
- ファンダメンタルズをもとに、株価や為替の値動きを予測することをファンダメンタルズ分析という。
ファンダメンタルズ分析について
- 特に中長期の運用を考える人にとってはポイントとなる指標といえる。
- 株式投資は、市場価格ばかりでなく、本質的な価値も見据えて検討することが大切。
そういえば、”企業の本質的な価値”ってなんかやったね。
ファンダメンタルズっというのは長いので、”ファンダ”と略したりします。
うむ。オレも”ファンダ”と呼ぼう。
なんかカッコいい。
ファンダについてやり始めるとかなり長くなるので、また今度詳しくやります。
今回はアノマリーですね。
はーい。
知らなきゃ損!? アノマリーとは
アノマリーとは、株式市場の株価がファンダメンタルズに基づいて形成される合理的な需給関係だけで説明できない価格変動を指します。
というと?
つまり、経済的合理性やマーケットの需給だけでは説明できない株価の動きを指します。
また、アノマリーは経験則として積み重ねられたものであり、時折合理的な予想を裏切ることがあります。
要するに迷信みたいなこと?
うーん。ちょっと違います。
以下に、有名なアノマリーとその解説をいくつか紹介します。
有名なアノマリー その1
1月効果(米国)
12月前半は株価下落。
クリスマス前後から上がりだし、1月はそのまま上昇する確率が高いとされるアノマリー。
12年末は、投資家は節税対策で損切りをするので株価が下がりやすくなる。
1月には資金が戻ることで上がる。
1月の上昇は、”1月効果”と呼ばれ、1月のトレンドがその年のトレンドになりやすいとされる。
節分天井、彼岸底
2月上旬に高値をつけてからジワジワ下がり、3月中旬に底をうつというアノマリー。
- 1月に投資資金流入
- 2月の決算で材料出尽くし
- 3月の決算に向けて調整が行われる
という流れ。
ただ、2月の実際のデーターでは相対的にパフォーマンスが悪い月とされているので、節分天井=”2月頭”というのがポイント。
逆に3月の実際のデーターでは相対的にパフォーマンスは良い月とされる。
なので、“彼岸底”=少し早めに底を打つ(?)と覚えておくと良いかも。
4月効果
新年度に入り、株価が上昇しやすいとされるアノマリー。
3月に売られた資金が戻り、年度が替わった4月は上昇すると言われている。
4月は新資金を投じる機関投資家が多い。
なので、4月~5月の初旬まではしっかりした展開になりやすいとされる。
セルインメイ Sell in May
(もしくは、Sell in May,and go away 5月に売って逃げろ)
有名なアノマリー。
5月と11月にヘッジファンドの決算が多いとされ、5月は天井をつけやすい傾向にある。
「彼岸底、鯉のぼり天井」というアノマリーもあり、天井=5月初旬を意味することが多い。
5月はパフォーマンスが良い月なのではなく、むしろ下落していく月。
なので勘違い(?)しないように注意が必要。
※パフォーマンスが良いとされているのは4月
アノマリーは、
「こんなかんじになること、多いよね。」
みたいなことなので、信じ込み過ぎないことも大切です。
あぶない!
かなり信じ込みそうになってた!
ただ、初めに説明した通り、
“アノマリーとは、株式市場の株価がファンダメンタルズに基づいて形成される合理的な需給関係だけで説明できない価格変動のこと”
ということが重要で、株とは複数の要因が重なって動くので、理屈で説明できない動きをすることも良くあります。
株価は多人数の感情の変異で動いたりします。景気は「気」というのはよく聞く言葉ですね。
うん。感情で動くっていうの、なんとなく納得は出来るよね。
アノマリーはそれらを含めた経験則がもとになっているものが多いので、あながち無視も出来ません。
頭の片隅に置いておき、少しだけ参考にする くらいの付き合い方が良いのかもしれませんね。
そうですね。
覚えておいて損はなさそうな内容です。
他には、こんなものもありますよ。
有名なアノマリー その2
夏枯れ
日本はお盆休み。
海外投資家は長期休暇を取る時期なので、市場参加者が減る。
出来高が減少し、値動きも少ないうえ、株価を下げやすいといわれている。
9月の株安
9月が1年で最も株価が落ち込みやすいというアノマリー。
これは世界中の株式市場で見られる傾向とされている。
面白いのは、これといった原因は特定されていないこと。
毎年8月末にジャクソンホール会議(FOMCメンバーや各国中央銀行総裁が集まり行われる会議)が開催され、そこで金融政策が発表されることが、相場が不安定になりやすい原因とも言われている。
ハロウィン効果
10月に株を仕込み、翌年4月末に売却するとリターンが高いとされるアノマリー。
10月のファンド決算で、多くの機関投資家が株を売却する。
それにより、9月~10月は株価が下落しやすいとされる。
ハロウィン効果(日本版)
日本では、ハロウィンの前後に株価上昇傾向があるとするアノマリー。
11月効果
11月は中間決算ラッシュ。
基本的にパフォーマンスは良い月とされるが、下落する年は下落幅が大きくなる傾向が強い。
ハイリスクハイリターンとされる月。大化け銘柄が出やすい。
12月効果(節税相場)
12月は節税のために含み損の株式を売却することが多く、株価が下がりやすいという株価アノマリー。
サンタクロースラリー
年末の最後の5営業日と新年の最初の2営業日に株価が上昇する傾向がある。
節税売りと合わせて考えると、12月は
となり、そのまま1月の上昇(1月効果)へと繋がる。
まとめるとこんな感じです。👇🏻
あくまで、イメージですよ。
アノマリー年間グラフ イメージ
アメリカ大統領選挙に関するアノマリーや、
日本の十二支に関するアノマリーなどもあります。
紹介しきれないほどのアノマリーが存在しますよ。
たくさんあるんだね。
聞いているだけでも面白いなぁ。