投資戦略を立てる際には、株価の動きや反転の兆し、方向性を示す指標があれば便利ですよね。
今回は、そのような分析が可能なテクニカル指標である「ボリンジャーバンド」について説明します。
ボリンジャーバンドとは？
今回は”ボリンジャーバンド“について解説します。
また、新しい言葉がでてきたね。
ボリンジャーバンドとは、ジョン・ボリンジャー氏が考案したテクニカル分析の一つです。
株価の勢いの変化や反転の目安、方向を見る指標として使用されます。
ひとの名前から取ってるんだね。
そのとおり。
ボリンジャーバンドは、移動平均線を中心として、その上下に統計学を用いて計算された標準偏差を表示します。
嫌ァーーー！
なんか、線がいっぱい！
上下それぞれに3本の線がありますね。
- ±１σ（シグマ）の範囲内に収まる確率・・・約68.3％
- ±２σ（シグマ）の範囲内に収まる確率・・・約95.4％
- ±３σ（シグマ）の範囲内に収まる確率・・・約99.7％
株価は、一般的な動きの中では、上下それぞれの範囲内に収まって動くと思ってください。
ほぼ、この中に納まって動くってこと？
そのとおり。
株価は、通常時は 一番外側の線（±3σ（シグマ））までの範囲内で動きます。
外側に行けば行くほど、しばらくすると中心に戻ってくる動きをしやすい と考えるとわかりやすいです。
詳しい説明を以下にまとめておきますね。
バンドについて
ボリンジャーバンドは、一定期間のデータで標準偏差 (シグマ＝σ)を算出。
移動平均線に対して
- シグマの1～3倍を加算したものを ＋1σ～＋3σ
- シグマの1～3倍を減算したものを －1σ～－3σ
として表示する。
株価はバンドの内側で推移することが多く、
- ±１σの範囲内に収まる確率・・・約68.3％
- ±２σの範囲内に収まる確率・・・約95.4％
- ±３σの範囲内に収まる確率・・・約99.7％
上記の確率で、一般的には各範囲内に収まるとされる。
標準偏差とは
“標準偏差“とは、一定期間のデータの平均値から、どのくらいのばらつきがあるのかを計算した数値。
単位は、σ（シグマ）を用いる。
一般的に、
- +1σ（アッパーバンド1）、+2σ（アッパーバンド2）、+3σ（アッパーバンド3）、
- -1σ（ロワーバンド1）、-2σ（ロワーバンド2）-3σ（ロワーバンド3）
で表示する。
ボリンジャーバンドの動きかた
株価の値動きが激しくなるとバンド幅が拡大、
値動きが小さくなるとバンド幅が縮小する傾向にあります。
ボリンジャーバンドは主に以下の3つの状態を示します
ボリンジャーバンドの注意点
ボリンジャーバンドの注意点に、
“だまし“があります。
“だまし”とは、エクスパンションした方向と逆向きに価格が動くことをいいます。
どの指標でも、こういうのあるよね。
また、急な相場変動のときは、±3σ（シグマ）の中に収まらず、飛び出すこともあります。
イレギュラーもあるということです。
結局、一つの情報に頼らずに、
いろいろ組み合わせて考えなければダメってことだね。
そのとおりです。
いつもの結論ですね。
“だまし”に惑わされないためにも、他のテクニカル分析やファンダメンタル分析の結果も考慮に入れることが重要です。
また、誤解しないで欲しいのは、指標が”役に立たないもの”ではないということ。
ひとつひとつの指標はとても有用です。
それらを組み合わせると、相乗効果が出るということです。
ボリンジャーバンドを使っての判断方法
ボリンジャーバンドは効果的に活用することで、投資判断を下しやすくなります。
以下に説明します。
判断の仕方が明確になるってことですね。
バンドの突破
- 価格が上側のバンドを突破
強い上昇トレンドの兆候である可能性あり。 - 価格が下側のバンドを突破
強い下降トレンドの兆候である可能性あり。
バンドの収縮と拡大
- バンドが収縮している（スクイーズ）
株価の大きな動きが近いことを示す可能性あり。
- バンドが拡大している（エクスパンション）
株価に強いトレンドが発生している状態にある。
バンドウォーク
- 価格が一方向に線に沿って動いている状態（バンドウォーク）
その方向のトレンドが続くことを示す。
これらのアプローチを組み合わせて判断をしていきます。
これらを知っていれば、動きの意味がわかるってことか。
ただ、投資判断は常に複数の要素を考慮する必要があります。
ボリンジャーバンドはその一部であるということを忘れないでくださいね。
いろいろな指標の組み合わせが大切なんですね。
繰り返しになりますが、他のテクニカル分析やファンダメンタル分析の結果も考慮に入れることが重要です。
これら全てを考慮に入れることで、よりバランスの取れた投資判断が可能となります。
大変だけれど、いっぱい覚えないとだね。
一緒に組み合わせる指標の一つである、
を別の機会に説明しますね。
はい！お願いします！
ちなみにこれらテクニカル指標は、ほとんどの証券会社のチャートで表示させることが可能ですよ。
ぜひ、この記事も参考にしてください
