円とドルの関係は、資産運用だけでなく日常生活にも密接に関連しています。
今回は、円とドルの為替レートについて解説します。
ちなみに、現在の為替レートでは1ドルはいくらでしょう?
円ドル レートのしくみについて
2人とも“円安”とか“円高”などニュースで聞いたことがあると思います。
どういう意味か知っていますか?
なんとなくしか分かりません。🙂
全く意味不明。😗
資産運用にとっても重要ですが、普段の生活の中でも意外と大切なことです。
なので、今回は円ドルレートについて解説しますね。
はい、お願いします。
円ドルレートってなに?
円ドルレートとは、1ドルが何円で交換できるか を表す指標です。
例えば、1ドル=100円という場合、100円で1ドルが買えるということです。
逆にいうと1ドル買うのに100円必要ということ。
うん。なるほど。
では、1ドル=70円になった場合はどうなるか。
この場合、1ドル買うのに70円しか必要ないということですね。
つまり、円の価値が上がり、相対的にドルの価値が下がったということになります。
この場合は“円高ドル安”ということになります。
う、うん。なるほど。
1ドル=120円になった場合はどうなるかというと、1ドル買うのに120円必要になるということ。
この場合は、円の価値が下がって、相対的にドルの価値が上がったということですね。
つまり“円安ドル高”ということになります。
・・・。
なんだかややこしいね。
簡単にいうと、円の値段がどうか ということを考えるよりも“円の価値”がどうかを考えるとわかりやすいですね。
ナントカ ガンバッテ ワカッテ イコウト オモイマス・・・。🫠
🦉いま起きているインフレの理由
でも、なんでドルの価値が上がったり下がったりするの?
いろいろな要素が複雑に絡むので簡単には言えませんが、あえて簡単にして説明しますね。
まず、最近のニュースでよく聞くフレーズに“インフレ”があります。
インフレとは物価が上がっていくことですよね。
物価が上がるということは、同じものを買うのに、たくさんのお金が必要になるということです。つまり通貨の価値が下がっていくということです。
また、通貨の価値は市場に出回る通貨の“量”が大きく影響します。
諸説ありますが、通貨が大量に出回れば1通貨あたりの価値が下がりますし、逆に通貨の流通量が少なくなれば1通貨あたりの価値は上がります。
もう一つの大きな原因は”金利”ですが、これは後程説明します。
うん。そこまではなんとか分かりました。
コロナ禍での経済不安
まだ記憶に新しいですが、2020年新型コロナウイルス感染症(COVID‑19)が世界中に広まり、アメリカでも大きな経済不安が起きました。
そこで、生活支援と経済対策として、短期間にものすごい大量のお金が市場に投入されました。
そうなると、通貨の価値はどうなると思いますか?
わかった。通貨の価値が下がるから、モノの価格が上がる!😀
その通り。ケントくんスルドイですね!
やったね!
今回のインフレの原因の一つはこれです。
ですが、かつてない程の危機でしたのでこの判断は仕方がないとも言えますね。
他にもコロナ禍からの急激な回復によるモノ不足や労働力不足、エネルギー問題など複合的な原因で起きています。
そっか。
まあ、原因が一つだけってことはないよね。
FRB(連邦準備制度理事会)が急ピッチな利上げ。すると どうなる?
急激なインフレを抑えようと、アメリカのFRB(連邦準備制度理事会。中央銀行にあたる連邦準備銀行の業務を統括している)が利上げを決定。
その後、とんでもない急ピッチで連続した利上げをしました。
さて、利上げを実施していくと、ドルに預けているだけで金利がつく訳ですから、当然ドルが大人気になります。
また、みんながドルを銀行に預けるということは、市場から現金が引き上げられていくことにもなりますよね。
そうすると、どうなると思いますか?
えっと、ドルが買われて、さらにドルの流通量が減るわけだから・・・。
ドルの価値が上がる。つまりドル高?
そのとおりです。
また、金利が高いドルに人気が集中しますから、他の通貨を売ってドルを持つ人が増えますよね。
この需給のバランス変化によってもドル高が進みます。
さらに、現金で預けておけばいい訳ですから他の資産を売ってでもドルに変えるようになりますよね。つまり、リスクの高い株などの資産は値下がりします。
そっか。
わざわざ危険を冒さなくても、現金を預けておけばそれなりに増えるわけだもんね。
そういうことです。
なので2023年は、FRBが金利を上げそうだと予測がでると株価が下がり、FRBが利上げを停止しそうだと予測が出ると逆に株価が上がる という状況が続いています。
急激な利上げは景気を冷やしすぎて、こんどは景気後退の懸念もでてきています。
なので、強烈なインフレを抑えるためとはいえ、単純に利上げを続ければいい訳ではないということになります。
難しい舵取りが続いているという感じですね。
ふ、複雑な感じだなぁ。
🗾デフレっておそろしい
日本はというと、日本はずっとデフレに苦しめられてきました。
デフレってなんだっけ?
デフレとは、デフレーションの略で、物価が持続的に下落することを指します。
つまり、モノに対して相対的に貨幣の価値が上がっていく状態です。
時間がたてば物価が下がるのだから、モノを買い控えるようになりますよね。
そうなるとモノが売れず不景気になります。
ふむふむ。
また、価格は下がっても、原材料費や人件費の削減には限度があります。
そうなると、企業の利益は徐々に減っていくので、企業の業績は悪化し、従業員の給与が減ったり、リストラにより失業者が増えたりします。
すると今度は所得が減るため、消費者はさらに消費を控えるようになります。
おそろしいね。😨
💴円安ドル高
インフレでは、基本この逆が起こります。
なので、ニュースなどで各国がインフレ2%程度を目指しているといっているのはそのためです。
過度なインフレはダメですが、程良いインフレは景気をあたためる効果があります。
なるほど。少しすると価格が上がると思えば、今買おうとするもんね。😐
話を戻して、日本はずっとデフレに苦しめられていたため、金利を上げてしまうと再度デフレに逆戻りしてしまう恐れがあります。
なので、そう簡単に金利を上げることができません。
そうなると、ドルや他の通貨は金利が高いのに、相対的に円は金利が低いという状態が生まれます。
こんどはどうなると思いますか?
円が売られる。つまり円安!
そうか。さっきのと合わせて円安ドル高ってことか。
そういうことです。
ざっくりですが、最近の円安ドル高はこんな感じで生まれています。
なるほど。なんとなくわかりました。
少し長くなりましたね。
円安ドル高の日本経済や個人投資家に対する一般的なメリット・デメリットについては次回解説します。
次回に続きます