知るだけで投資力アップ!中立金利の活かし方を解説

今回は「中立金利」についての ざっくり解説ですね。

投資初心者にとって、「中立金利」は難解なテーマのひとつ。
しかし、中立金利の概念を理解すれば、資産運用がよりスムーズになります。
中立金利とは?

ニュースでよく聞く「中立金利」って、どういうものですか?
中立金利 = 経済が安定し、景気を過熱も冷却もさせない適正な金利水準のこと
この金利水準では、中央銀行が金融政策によって市場を過度に刺激することなく、適正な成長を維持できます。
中立金利は経済の状況によって変動し、インフレ率や政策金利と密接な関係があります。
具体的な中立金利を求める公式はなく、
- 実質GDP成長率
- 潜在成長率
- 長期的な予想インフレ率
- 市場の需給バランス
などの要素を考慮して推定されます。


ざっくり言うと、
中立金利=ものすごく長期でみて“ちょうどいい”と考えられる金利水準
中央銀行は、これがどこにあるかを推計して、それに向かって金融政策をどうするかを決めていきます。
中立金利と政策金利の違い
中立金利と政策金利は密接に関連していますが、それぞれ異なる役割を持ちます。
- 政策金利:中央銀行が経済を調整するために設定する金利
- 中立金利:経済を安定させるために最適な金利水準

例えば、政策金利が中立金利より高ければ景気抑制、低ければ景気刺激の方向に働きます。

- 政策金利 > 中立金利 → 金融引き締め(景気抑制)
- 政策金利 < 中立金利 → 金融緩和(景気刺激)

金利が高い =
資金を借りにくくする&貯蓄を増やすように誘導して、景気過熱を抑制
金利が低い =
資金を借りやすくする&貯蓄をする魅力を減らして、景気を刺激
ってことですね。
中立金利が投資戦略に与える影響
投資家にとって、中立金利を理解することはとても重要。
中立金利は市場の方向性を示す指標として、参考にしやすいためです。
中立金利を投資戦略に活かす方法
長期的に見て、中立金利を目標として政策金利が決まっていくとするならば、
- 現在の金利が中立金利より上=将来的に利下げが見込める。
- 現在の金利が中立金利より下=将来的に利上げの可能性が高い
となります。

利下げが見込めれば、株価上昇も期待できるってことか。

マーケットは利下げ・利上げ期待を早めに折込に行きますので、中央銀行の見通しに変動があった場合、短期間に一気に株価が変動する場合があります。
その他にも、日本と他国との金利差が縮まれば、為替にも影響が出てきます。
外国株に投資をしている場合は、為替の変動にも要注意です。
日本とアメリカの中立金利の違い
日本の中立金利
日本銀行は、“中立金利”に関する直接のデータを出していません。
※日本銀行の金融政策は、デフレ脱却をするために長らくゼロ金利政策を維持していました。
そのため、金利が市場に与える影響に関するデータが少ないことが理由の一つといわれます。
低インフレ環境が長期にわたって続いており、設定するならば、中立金利も低めになると考えられています。
アメリカの中立金利
- インフレ率や経済成長率が比較的高く、中立金利も変動しやすいです。
- FRB(米連邦準備制度)は市場動向に応じて政策金利を積極的に変更しています。

アメリカは政策金利に関する見通し情報が、比較的多く開示されています。
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中立金利を理解して資産運用をラクにする

初心者でも中立金利を投資戦略に活かす方法はありますか?
- 経済ニュースをチェック:中立金利に関する報道を確認し、金融市場の動きを把握。
- 投資のタイミングを見極める:金利の動きに合わせて投資判断を行う。
- 分散投資を活用:金利変動によるリスクを分散するために、異なる資産クラスに投資。

こんなことに気を付けながら、経験を積んでいくと良いですね。
中立金利は投資戦略を考える上で重要な指標です。
市場環境に応じた投資判断をするために、中立金利の仕組みを理解することが資産運用をラクにする鍵となります。