太陽光エネルギー革命 ペロブスカイト太陽電池とは?
今回は投資のテーマ解説です。
ペロブスカイト太陽電池とはなにか知っていますか?
ペロペロブ… なんだって?
ペロブスカイト太陽電池。
薄くて軽く、曲げることができるという特性を持ち、次世代の太陽電池として注目されている、新しい世代の太陽電池技術のことです。
初めて聞きました。
どんな技術なんですか?
やるじゃん、キッシー!
以下は、「内閣府 経済財政運営と改革の基本方針2024」からの抜粋です。
再生可能エネルギーについては、地域共生を前提に、国民負担の抑制を図りながら、主
引用元:内閣府 経済財政運営と改革の基本方針2024
力電源として、最大限の導入拡大に取り組む。国産化や我が国の技術力の強化につなげる
ため、ペロブスカイト太陽電池や浮体式洋上風力等の目標及び革新技術の開発と社会実装
の早期実現に向けた支援や制度的措置の検討、国際的な研究開発体制や国際標準の整備、
人材育成やサプライチェーンの構築38に向けた支援を行う。
《令和6年6月21日 閣議決定》
よく、「国策に売りなし」といわれますので、株式投資先としても期待の技術ですね。
まあ、たまに「売りアリ」 の場合もありますけれど…。
おい!
ペロブスカイト太陽電池、
もっと詳しく知りたいです。
それでは、詳しく説明していきますね。
ちなみに、
シリコン太陽電池とは、シリコン基板に太陽電池を形成する、2024年現在で最も一般的な太陽電池のこと。
ペロブスカイト太陽電池の すごいところ
まずは形状ですが、このようにフィルム状で、薄くて軽いことが特徴です。
以下に、すごいところを解説していきます。
ペロブスカイト太陽電池
軽くて薄い
シリコン太陽電池と比較して、
- 厚さ:約100分の1
- 重さ:約25分の1
これにより、今まで設置できなかった場所に設置可能なことが大きな強み。
例えば、従来の重くて厚い太陽光パネルの代わりに、フィルム状の薄いパネルを家の屋根に設置することが可能になります。
また、軽いので輸送が簡単なうえに、設置するときの作業負担も少ないです。
そのため、導入コストが低く抑えられることも期待できます。
薄いフィルムのように曲げられる
薄くて曲がるという特徴を活かして、「ここに太陽電池を設置できればいいのに」が実現可能になります。
例えば、車のボディー、電子端末、ドローン。
これらの機械やロボットに設置できれば、充電しながら稼働できるようになります。
また、なんと服にも貼れるといわれています。
そうなれば、服やカバンなどで発電した電気を、モバイル端末や、ウェアラブル端末に充電可能なるので、電子端末活用の可能性が広がります。
さらに、建物も屋根だけでなく、ビルの壁や窓にも設置可能。
日本は土地が少ないので、建物の壁に設置できるメリットは大きいです。
また、弱い光でも発電できることも特徴のひとつ。
屋内でも発電できることも強みのひとつです。
製造コストが低い
薄くて軽いペロブスカイト太陽電池は、材料費が約20分の1。
レアメタルを使用せずに作れるため、製造コストを抑えられます。
日本発の技術! しかも、日本で材料を調達可能。
桐蔭横浜大学の宮坂力(みやさかつとむ)特任教授が発明した日本で発明された技術です。
大きなメリットは「材料を日本国内で調達可能」ということ。
主な原料である「ヨウ素」は、日本は世界2位の生産国。(世界の29%のシェア)
推定埋蔵量では、日本のシェアは世界の78%。なんと圧倒的1位のポテンシャルを持っています。
材料を海外に頼らずに済むということは、安全保障上とても大きな意味を持ちます。
日本にとって、メリットがたくさんある技術なんですね!
ペロブスカイト太陽電池の課題
これだけメリットの多いペロブスカイト太陽電池ですが、
まだまだ技術的な課題が残されています。
新しい技術には課題はつきものですよね。
どんなことですか?
たとえば、
- 赤外線や紫外線に弱い
- 湿気に弱い
ことなどが挙げられます。
えっ!
太陽光発電としては、けっこう致命的じゃない?
耐久性と長期間の安定性に課題がある。
つまりは、寿命が短いということになりますね。
ですが、研究が進むにつれて、これらの課題は徐々に解決されつつあります。
耐久性の課題
積水化学は、「フィルム型」ペロブスカイト太陽電池の開発に注力しており、10年の耐用年数を実現。
更には、2025年までに20年の耐久性を達成する計画を発表しています。
安全性の課題
「ヨウ化鉛」や「ヨウ化メチル」などの主要な原料は、人体に有害であり、その安全性に関する問題も大きな課題となっています。
そのため、これらの代わりになる原料での製造ができないか研究が進められています。
ペロブスカイト太陽電池の市場動向
ペロブスカイト太陽電池の市場は急速に成長していて、研究開発も盛んに行われています。
今後数年で市場規模はさらに拡大し、太陽光発電市場において重要な地位を占めることが予想されています。
これだけすごい技術だと、
いろいろな企業が参入してきそうですね。
現在、ペロブスカイト太陽電池に投資を行っている主要企業には、大手企業はもちろん、スタートアップ企業も含まれます。
投資家たちもこの分野に注目して、資金を投入していますよ。
投資家向けペロブスカイト太陽電池 関連企業
積水化学
先ほども解説した積水化学。ペロブスカイト太陽電池の本命といってもいいかもしれませんね。
東京都千代田区に建設予定の高層ビルでは、「世界初 フィルム型ペロブスカイト太陽電池による高層ビルでのメガソーラー発電の計画」もされています。
東芝
東芝の開発するペロブスカイト太陽電池は、独自の塗布方法(メニスカス塗布法)を応用して作成したフィルム型電池。
大面積のものとしては世界最高のエネルギー変換効率を記録しています。
現在も、高効率で低コストなフィルム型ペロブスカイト太陽電池の実用化に向けて開発が進められています。
※参考:東芝エネルギーシステムズ株式会社 ニュースリリース
パナソニック
2028年までに、ペロブスカイト太陽電池事業に参入すると発表。
住宅建材と組み合わせて使用する発電するガラスの用途に焦点を当てて事業展開を進めています。
大学、研究機関からのスタートアップ企業
- ペクセル・テクノロジーズ
ペロブスカイト太陽電池 を開発した宮坂教授が在籍する、桐蔭横浜大学が立ち上げたベンチャー企業 - エネコートテクノロジーズ
京都大学が立ち上げたスタートアップ企業
日本の多くの大学で研究が進められています。
また、世界中の多くの大学・研究機関でも、開発が行われていますよ。
世界中が注目する、期待の技術なんだね!
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